ファクタリングの二重譲渡は必ずバレる!発覚の仕組みと刑事リスク・正しい対処法

ファクタリングは、売掛債権を現金化して資金繰りを改善する有効な手段です。
特に資金調達のスピードが求められる中小企業や個人事業主にとって、「銀行より早く、審査も柔軟」という理由から、今や一般的な資金調達方法の一つになりました。

しかし、この便利な仕組みの裏には、絶対に避けなければならない重大なリスクがあります。
それが 「二重譲渡」――つまり、同じ売掛債権を複数のファクタリング会社に売ってしまう行為 です。

「少額だからバレないだろう」「別の会社ならわからないはず」
そう考えて二重譲渡を行う事業者も存在しますが、結論から言えば、必ずバレます。
しかも、バレたときの代償は極めて大きく、刑事事件化することも少なくありません。

なぜファクタリングの二重譲渡は発覚するのか?そして、どのようにしてファクタリング会社はそれを見抜くのか?さらには、一度二重譲渡をしてしまった場合、どんな法的責任を問われるのか?

本記事では、

  • ファクタリングにおける二重譲渡の仕組みと発覚の理由
  • 実際に起きた事例と法的リスク
  • 悪意がなくても「バレる」プロセス
  • 誠実な対応でトラブルを防ぐための対策

を、法律と現場の両面から徹底的に解説します。

この記事を読み終えれば、「ファクタリングの二重譲渡は絶対に避けるべき理由」と、「信頼を失わず安全に利用するための正しい知識」が、明確に理解できるはずです。

ぜひ、参考にしてください。

ファクタリングの二重譲渡は必ずバレる——そして取り返しがつかない

結論から言えば、ファクタリングの二重譲渡は必ずバレます。
たとえ悪意がなかったとしても、複数のファクタリング会社に同じ売掛債権を譲渡した時点で、法的には「詐欺」「債権侵害」「不当利得」などの問題に発展する可能性があります。

ファクタリングは、売掛金を「譲渡」する取引です。一度売掛債権を譲渡すると、その債権の所有権はファクタリング会社に移転します。つまり、譲渡済みの債権を再び他社に売ることは、自分のものではない債権を二重に売る行為です。

たとえ金額が小さくても、これは**法律上の「二重譲渡」**とみなされ、刑事事件化すれば「詐欺罪(刑法246条)」に問われる可能性もあります。また、民事的にも、被害を受けたファクタリング会社から「損害賠償請求」や「債権譲渡無効確認訴訟」を起こされるケースがあります。

しかも、二重譲渡がバレるのは時間の問題です。なぜなら、ファクタリング会社はそれぞれ以下のような仕組みで取引の真偽を確認しているからです。

  • 信用調査会社やデータベースを通じた「譲渡登記」の照会
  • 売掛先企業への支払通知・確認
  • 他社との情報共有によるリスク検知
  • AIによる債権内容の自動照合

つまり、売掛債権の取引情報は業界全体で共有される構造になっており、不自然な重複や矛盾はすぐに検出されるということです。

一度でも二重譲渡が発覚すれば、信用情報に「不正取引」として記録され、今後の資金調達は極めて困難になります。ファクタリング会社だけでなく、取引先や金融機関からの信頼も失うため、短期的な資金調達どころか、事業存続に関わるダメージを受けることになります。

したがって、「バレないと思ってやった二重譲渡」は、結果的に「事業を終わらせる行為」になりかねません。

ファクタリングを安全に活用する最大のポイントは、誠実な情報開示と、取引の一元管理です。資金繰りが苦しいときほど焦らず、正しい手順で信頼を積み重ねることが、結果的に最も早く資金を得る近道になります。

関連記事:同じ請求書を複数回ファクタリングする危険性|二重譲渡が招く法的リスクと防止策を徹底解説

ファクタリングの二重譲渡が発覚する3つの仕組み

「同じ債権を複数の会社に売っても、バレないかもしれない」——
そう考える人が後を絶ちません。
しかし、現代のファクタリング業界では、二重譲渡を見抜く仕組みが完全に整備されています。
たとえ1日違いの申し込みでも、瞬時に検出されるケースも珍しくありません。

ここでは、二重譲渡が確実にバレる3つの仕組みを紹介します。

債権譲渡登記による記録・照会制度

ファクタリング会社は、取引成立後に「債権譲渡登記」を行うことで、債権の所有権を公的に記録します。これは法務局で管理される仕組みで、どの債権が、いつ、どこに譲渡されたかが明確に記録されます。

そのため、仮に同じ売掛債権を別の会社に再度売却しても、後から登記を照会すれば即座に発覚します。

登記は「登記した者が優先権を持つ」ため、後から譲渡した側(=二重譲渡先)は債権を回収できず、取引そのものが無効になるリスクもあります。

関連記事:ファクタリングは債権譲渡登記なしでも安全?メリット・リスク・成功事例を徹底解説

売掛先への通知・債権確認プロセス

多くのファクタリング会社は、売掛先企業に対して「この売掛金は弊社に譲渡されました」という通知を送ります。これを「債権譲渡通知」と呼びます。

もし別の会社にも同じ債権を売っていれば、当然、売掛先には2社から同様の通知が届くことになります。

売掛先はすぐに不審に感じてファクタリング会社へ連絡し、二重譲渡が発覚するという流れです。

また、最近ではAIを活用した通知管理システムを導入する会社も増えており、同一企業・同一金額・同一請求書の通知を自動検出することが可能になっています。

ファクタリング会社間での情報共有ネットワーク

業界内では、不正防止を目的とした取引情報の共有ネットワークが存在します。たとえば、同一事業者が複数の会社に申し込みをした場合、「申込名義」「売掛先名」「請求書番号」などのデータ照合により、重複債権が検知される仕組みです。

特にクラウド型ファクタリングサービスでは、AIがリアルタイムで取引パターンを学習し、「同じ請求書データが別の業者にも登録されている」ことを自動的に検出します。

これにより、以前のように「会社を変えればバレない」という状況は、完全に過去のものになりました。

登記がない場合でも発覚する「債権の追跡構造」

仮に登記をしていない小規模な2社間ファクタリングでも、二重譲渡は必ず発覚します。

なぜなら、売掛先からの入金は1回しか行われないため、どちらのファクタリング会社が受け取るかで必ず矛盾が生じるからです。

1社目が「入金が来ない」と気づいた時点で売掛先へ照会を行えば、すぐに「別の会社からも譲渡通知が届いている」と判明します。その結果、刑事告発や損害賠償請求に発展することもあります。

このように、ファクタリング業界では、法律・システム・データネットワークの3方向から二重譲渡の検出が行われており、隠し通すことはほぼ不可能です。

次章では、実際に起きた二重譲渡のケースや、「悪意がなくてもバレてしまった」具体例を紹介します。

ファクタリングの二重譲渡が発覚した実例と悲惨な結末

ファクタリングの二重譲渡は「うっかり」「仕方なく」といった軽い理由で起きることもあります。
しかし、結果的にはほぼ確実に発覚し、企業や事業主に深刻な法的・信用的ダメージをもたらします。
ここでは、実際に起きた代表的な3つのケースを見ていきましょう。

【ケース1】同じ売掛金を2社に売って発覚(建設業A社)

A社は下請けの建設業者で、資金繰りに困り、1社目のファクタリング会社に売掛債権を譲渡。
しかし、入金予定日までに別の支払いが重なり、
「もう1社に出せば早く現金が入る」と考えて、同じ債権を2社目にも売却しました。

ところが、1社目が債権譲渡登記を済ませていたため、
2社目の契約時点で法務局の登記照会によって二重譲渡が即座に発覚
A社は契約違反で取引停止となり、1社目・2社目の両方から損害賠償請求を受けました。

結果、A社は取引先からの信用も失い、事実上の廃業に追い込まれました。

関連記事:ファクタリングは建設業の右腕!資金繰り改善・即日現金化の仕組みと注意点

【ケース2】売掛先への二重通知でバレた(医療機器卸B社)

B社は医療機関に機器を販売する中小企業。
資金繰り悪化のため、2社のファクタリング会社に同じ売掛債権を提出していました。
1社目は「3社間ファクタリング」で売掛先に通知を送付。
2社目も同じ請求書をもとに2社間契約を進めました。

結果、売掛先の病院に2通の「債権譲渡通知」が届き、不正が発覚。
病院側が不信感を抱き、B社との取引を即時停止。
さらに、ファクタリング会社2社間で法的争いとなり、B社も巻き込まれる形で損害賠償を負うことに。

このケースのように、売掛先に2通の通知が届けば、数日でバレるのです。

【ケース3】担当者のミスで二重譲渡と見なされた(運送業C社)

C社は正規の取引を行っていたものの、担当者の勘違いで同じ請求書を再提出してしまい、
結果的に「二重譲渡」として扱われました。

実際には、同一債権ではなく、別の取引分を申請したつもりでしたが、
請求書番号の重複や日付のズレにより、ファクタリング会社のシステムが「重複データ」と判定。

事実関係を証明するために数週間の調査が必要となり、
入金が大幅に遅れる結果に。
悪意がなくても、管理ミスひとつで信用を失うことがある典型的なケースです。

関連記事:ファクタリングで運送業の資金繰りを劇的改善できた成功3事例

【ケース4】経営者の「勘違い」で詐欺事件化(個人事業主Dさん)

Dさんは個人で介護関連の請求代行を行っており、
過去に利用したファクタリング会社との契約が「終了した」と思い込んでいました。
そのため、同じ売掛債権を別の会社に売却したところ、
前回の契約はまだ解除されておらず、二重譲渡として刑事告発されました。

本人は「知らなかった」と主張しましたが、
書面上は有効な契約が残っていたため、詐欺罪の構成要件を満たす結果となり、
最終的に執行猶予付き有罪判決を受けました。

これらの事例から分かるように、二重譲渡は「悪意がなくても」「小さな金額でも」重大なトラブルを引き起こします。

しかも、いずれのケースでも「発覚までに数日〜1週間」というスピードで特定されています。
ファクタリング会社は、債権の重複チェックや登記情報を自動照合しているため、“バレない”という考え自体が成立しない時代になっています。

よくある質問:ファクタリングの二重譲渡に関する疑問と正しい対応

ファクタリングの二重譲渡は本当にバレるんですか?

はい、100%バレます。
ファクタリング会社は債権譲渡登記や売掛先への通知、AIによるデータ照合など複数の仕組みで債権を確認しています。
同じ請求書や契約書を複数社に提出すれば、すぐに重複データとして検出されます。
しかも、業界内では取引履歴を共有しているため、別の会社でも発覚します。

小額の取引ならバレないのでは?

金額の大小は関係ありません。
1万円でも1億円でも、「同一債権を二重に譲渡した」時点で違法です。
登記や通知、売掛先の入金確認を通じて必ず矛盾が見つかるため、小額でも不正とみなされ、信用を失うリスクがあります。

悪意がなくても二重譲渡になった場合、犯罪になりますか?

悪意がなくても、結果として他社の権利を侵害した場合は民事上の責任を負います。
悪質なケース(虚偽申告・隠蔽・再販目的など)の場合は刑事事件(詐欺罪)になる可能性もあります。
ただし、単なる書類ミスや確認不足であれば、誠実に説明・弁済すれば刑事責任には問われにくいです。

二重譲渡が発覚したらどうすればいいですか?

まずは誠実に事実を説明することが最優先です。
嘘をついたり隠したりすると、状況が悪化します。

対応手順としては:

  1. 関係するファクタリング会社にすぐ連絡
  2. 登記状況・契約内容を確認
  3. 弁護士や専門家に相談(特に債権譲渡契約の有効性確認)

正直な対応をすれば、示談や契約解除で収まることもあります。

ファクタリング会社が複数あること自体は問題ですか?

複数のファクタリング会社を利用すること自体は問題ありません。
ただし、同じ売掛債権を重複して譲渡しないことが絶対条件です。
それぞれ別の売掛金(別の取引先・請求書)であれば、複数社を利用しても合法です。

登記していない2社間ファクタリングでもバレますか?

はい、バレます。
登記がなくても、売掛先への通知や入金確認によって発覚します。
1つの売掛金に対して入金は1回しか行われません。
したがって、2社間で請求が重なれば即座に矛盾が発覚します。

二重譲渡を防ぐためにできる対策は?

以下の3つを徹底すれば防げます。

  1. 譲渡した債権を台帳で管理する(請求書番号・取引先・譲渡日を明記)
  2. 契約書を保存・見直しして、終了済みか確認
  3. 信頼できる1社と長期的に取引する

この3つを守れば、二重譲渡のリスクはほぼゼロになります。

一度二重譲渡をしてしまったら、もうファクタリングは利用できませんか?

必ずしもそうではありません。
誤解やミスによるもので、誠実な対応を行えば、再度利用を認めるファクタリング会社もあります。ただし、業界内に記録が残るため、再発防止策の提示や信頼回復の努力が必要です。

まとめ:ファクタリングの二重譲渡は“必ずバレる”——誠実さが唯一の防御策

ファクタリングの二重譲渡は、「一時的に資金を得たい」という焦りから起こりやすいトラブルですが、
一度でも行えば必ず発覚します。そして、発覚した後の代償は、想像以上に大きなものになります。

ファクタリング会社は、登記・通知・データ共有の仕組みを通じて、常に債権の真正性を確認しています。
つまり「登記していない」「小額だから」「別の会社だから」——
そんな言い訳は一切通用しません。

しかも、二重譲渡が発覚すれば、

  • 損害賠償請求
  • 詐欺罪による刑事告発
  • 取引停止・信用失墜

といった重い結果を招きます。最悪の場合、事業そのものを続けられなくなることもあります。

しかし、逆にいえば、誠実に取引を行い、透明性を保つことさえできれば、ファクタリングは非常に有用で安全な資金調達方法です。

契約内容を理解し、書類を正しく管理し、
同じ債権を複数の会社に出さない——。
この基本を守るだけで、二重譲渡のリスクはゼロになります。

もし資金繰りに困っている場合でも、焦らず、信頼できるファクタリング会社や専門家に相談することで、正しい解決策を見つけられます。

ファクタリングは「信頼で成り立つ取引」です。そしてその信頼を裏切る二重譲渡は、最もやってはいけない“自滅行為”です。

誠実さを持って対応すれば、資金調達の道は必ず開かれます。焦らず、正しい手順で、安心できる取引を重ねていきましょう。

私たち「ふぁくたむ」は、お客様に寄り添ったファクタリングをします。

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