請求書カード払いで給与は支払える?給与資金を確保する方法と注意点を徹底解説

「従業員の給与支払日が近いのに、会社の口座残高が足りない」「売掛金の入金が給与支払日より遅く、資金繰りに困っている」「請求書カード払いを使って給与を支払うことはできないだろうか」

こうした悩みを抱えている中小企業の経営者や個人事業主は少なくありません。

企業経営において、従業員への給与支払いは最優先で対応すべき支出の一つです。仕入代金や外注費であれば取引先との交渉によって支払期日を調整できる場合もありますが、給与は法律や労働契約に基づいて定められた期日に支払う必要があります。

特に、建設業、運送業、製造業、IT業界、人材派遣業などでは、仕事が完了してから売上代金が入金されるまでに時間がかかることがあります。

売上や利益が十分に発生していても、入金より先に給与や経費の支払いが集中すると、一時的に資金不足に陥る可能性があるのです。

そこで注目されているのが「請求書カード払い」です。

請求書カード払いは、通常であれば銀行振込で支払う請求書をクレジットカードで決済できるサービスです。カードの引落日まで実質的な支払いを繰り延べられるため、手元資金を確保しやすくなります。

ただし、請求書カード払いで従業員の給与そのものを直接支払えるわけではありません。

給与と外注費では支払いの性質が異なり、利用できるサービスや法律上の取り扱いにも違いがあります。

本記事では、請求書カード払いと給与支払いの関係を整理しながら、給与の直接払いに利用できない理由、給与原資を確保する仕組み、具体的な活用事例、注意点、資金不足を解消するための選択肢まで詳しく解説します。

給与支払日を守りながら会社の資金繰りを改善したい経営者は、ぜひ参考にしてください。

目次

請求書カード払いで給与を直接支払うことは原則できないが、給与資金の確保には活用できる

結論からいうと、一般的な請求書カード払いサービスでは、従業員への給与を直接カード払いすることはできません。しかし、仕入代金や外注費などの支払いをカード決済に切り替えることで、給与に充てる資金を確保する方法として活用できます。

請求書カード払いは、企業間取引で発生した請求書などを対象に、サービス事業者が取引先への支払いを代行する仕組みです。

例えば、企業が外注先に100万円を支払う必要がある場合、通常は銀行口座から100万円を振り込みます。

一方、請求書カード払いを利用すると、サービス事業者が外注先へ100万円を振り込み、利用企業はクレジットカードで決済する形になります。

その結果、利用企業の銀行口座からすぐに100万円が出ていくことを防げます。

この仕組みを利用すれば、本来は外注費や仕入代金に充てる予定だった資金を、従業員の給与支払いに残しておくことが可能です。

ただし、給与をクレジットカードで決済して従業員へ送金する仕組みとは異なります。

実際に、弥生株式会社の請求書カード払いサービスでは、従業員への給与支払いは対象外とされています。一方、請求書などが存在する外部企業への業務委託費用については利用可能と案内されています。

つまり、重要なのは給与そのものをカード払いするのではなく、カード払いが可能な別の経費を後払いにすることで、給与支払いに必要な現金を残すことです。

この違いを理解しておけば、請求書カード払いを資金繰り対策として適切に活用できます。

また、請求書カード払いによって支払いを繰り延べても、支払義務がなくなるわけではありません。

カードの引落日には請求書の金額と所定の利用手数料を負担する必要があるため、将来の入金予定まで考慮した資金計画が欠かせません。

給与支払いの資金不足が一時的なものであれば有効な選択肢となり得ますが、継続的な赤字や慢性的な資金不足を解決する手段として利用する場合には慎重な判断が必要です。

関連記事:請求書カード払いはオンライン完結!3つの活用法を紹介

請求書カード払いと給与支払いでは仕組みや法律上の取り扱いが異なる

請求書カード払いは企業間の支払いを対象としたサービス

請求書カード払いとは、銀行振込で支払う予定の請求書について、クレジットカード決済を利用できるようにするサービスです。

通常、企業間の取引では、商品やサービスを提供した側が請求書を発行し、代金を支払う側が指定された銀行口座に振り込みます。

請求書カード払いを利用すると、この支払いの流れに決済サービス事業者が加わります。

具体的には、利用企業が請求書や振込先などの情報を登録し、カード決済の手続きを行います。その後、サービス事業者が取引先に代金を振り込みます。

取引先には銀行振込で支払われるため、取引先自身がクレジットカード決済に対応していなくても利用できる場合があります。

また、クレジットカードの締め日と引落日の関係によっては、実質的な支払いを数週間から最大60日程度繰り延べられるサービスもあります。

ただし、延長できる期間は利用するカードや決済日によって変わります。すべての取引で60日間延長できるわけではありません。

このサービスの主な目的は、仕入代金や外注費などの事業上の支払いを円滑にし、企業の資金繰りを改善することです。

従業員の給与支払いには労働基準法のルールがある

従業員への給与支払いには、労働基準法第24条に基づくルールが適用されます。

給与は原則として、通貨で、労働者本人に直接、その全額を、毎月1回以上、一定の期日に支払わなければなりません。

これらは一般に「賃金支払の5原則」と呼ばれています。

銀行振込については、労働者本人の同意を得たうえで、本人が指定する本人名義の口座へ、給与支払日に全額を引き出せる状態で振り込むなどの要件を満たす必要があります。

近年では、一定の条件のもとで給与をデジタル払いする制度も導入されています。

ただし、給与のデジタル払いは、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座を利用する制度であり、請求書カード払いとは別の仕組みです。

また、デジタル払いを導入する際には、労使協定の締結や労働者本人の同意などが必要になります。

クレジットカードで給与を支払いたいからといって、通常の請求書カード払いサービスを給与振込の代わりに利用できるわけではありません。

なお、従業員への給与支払いを目的としたカード決済サービスの利用可否は、法令上のルールに加えて、各サービスの利用規約によって判断する必要があります。

給与と外注費は同じ人件費でも取り扱いが違う

企業の支出には、給与、役員報酬、外注費、業務委託費、人材派遣費などがあります。

いずれも広い意味では人件費に関係する支出ですが、請求書カード払いでの取り扱いは同じではありません。

支払いの種類請求書カード払いの利用
正社員・契約社員の給与一般的なサービスでは対象外
パート・アルバイトの給与一般的なサービスでは対象外
従業員への賞与一般的なサービスでは対象外
役員報酬一般的なサービスでは対象外
外部企業への業務委託費利用できる場合がある
人材派遣会社への支払い利用できる場合がある
個人事業主への外注費サービスごとの条件による
社会保険料対応サービスと条件による

例えば、建設会社が自社の従業員に支払う給与は、一般的な請求書カード払いの対象外です。

一方、協力会社から請求された工事の外注費であれば、利用対象となる可能性があります。

また、個人事業主への支払いについても、すべてのサービスで利用できるわけではありません。適格請求書発行事業者であることなどを条件に対応しているサービスもあります。

社会保険料については、取り扱いに対応した請求書カード払いサービスも存在します。ただし、事業形態や納付方法、必要書類などに制限が設けられている場合があります。

このように、同じ人件費に関連する支払いでも、支払先や取引内容、利用規約によって対象になるかどうかが変わります。

給与支払いを先延ばしできないことが資金繰りを難しくする

会社の売上が安定していても、売上代金の入金と経費の支払いには時間差があります。

例えば、毎月末に従業員の給与を支払う企業で、取引先からの売掛金が翌月末に入金される場合を考えてみましょう。

給与の支払いが先に発生する一方、売上代金は約1か月後まで入ってきません。

さらに、仕入代金や外注費の支払日が給与支払日と重なれば、一時的に多額の現金が必要になります。

このような状況では、利益が出ているにもかかわらず、銀行口座の残高が不足することもあります。

いわゆる黒字倒産も、こうした資金収支の問題によって発生する可能性があります。

給与は従業員の生活に直結する重要な支払いであり、単純に翌月へ延期することはできません。

そのため、給与支払日を変更するのではなく、ほかの支払い方法を見直すことが現実的な対策になります。

請求書カード払いは、その選択肢の一つとして活用できるのです。

請求書カード払いを活用して給与原資を確保する方法

活用例1:建設業で外注費をカード払いに切り替える

建設業では、元請会社からの工事代金が入金される前に、従業員の給与や協力会社への外注費を支払わなければならないケースがあります。

例えば、以下のような状況を考えてみましょう。

ある建設会社の銀行口座には180万円の現金があります。

今月末には従業員への給与130万円と、協力会社への外注費90万円を支払う必要があります。

この場合、合計220万円が必要となるため、40万円の資金不足が発生します。

しかし、協力会社への外注費90万円を請求書カード払いに切り替えれば、給与支払日に必要な現金支出を130万円に抑えられます。

その結果、従業員に給与を支払った後でも50万円が手元に残ります。

仮に請求書カード払いの手数料を3%とすると、外注費90万円に対する手数料は2万7,000円です。

カードの引落時には、合計92万7,000円を負担する計算になります。

ここで重要なのは、カード引落日までに元請会社から工事代金が入金される見込みがあるかどうかです。

例えば、引落日前に150万円の売掛金が入金される予定で、その入金が確実に見込めるのであれば、資金繰りを改善できる可能性があります。

一方、元請会社からの入金が遅れれば、カード引落時に再び資金不足が発生するおそれがあります。

請求書カード払いを利用する際は、目先の給与支払いだけでなく、カード引落日まで含めて計画することが大切です。

活用例2:IT企業でエンジニアの外注費を後払いにする

IT企業やシステム開発会社では、案件ごとに外部の開発会社やエンジニアへ業務委託することがあります。

例えば、システム開発会社が顧客から300万円の開発案件を受注した場合、売上代金の入金より前に外部企業へ100万円の業務委託費を支払うことがあります。

その一方で、自社従業員の給与や事務所家賃、通信費なども毎月発生します。

このような状況で、外部企業への業務委託費100万円を請求書カード払いに変更できれば、銀行口座からの即時支出を抑えることができます。

結果として、自社従業員の給与支払いに必要な資金を残しやすくなります。

ただし、フリーランスの個人エンジニアへの支払いは、サービスによって対応が異なるため注意が必要です。

法人への支払いのみを対象とするサービスもあれば、一定の条件を満たした個人事業主への支払いに対応するサービスもあります。

また、契約書などの証憑があれば請求書がなくても申し込める場合がありますが、取引の実在性や支払先について審査が行われることがあります。

利用前には、支払先が対象となるかを必ず確認しましょう。

活用例3:人材派遣費をカード払いにして自社の給与資金を守る

人材派遣業や製造業など、人員を多く必要とする業種でも請求書カード払いが役立つ場合があります。

例えば、製造会社が繁忙期に人材派遣会社を利用し、毎月80万円の派遣費用を支払っているとします。

同じ月には自社従業員への給与として200万円が必要です。

繁忙期に売上が増加していても、取引先からの入金が翌月になる場合には、一時的に資金繰りが苦しくなることがあります。

そこで、人材派遣会社から発行された請求書をカード払いにできれば、派遣費用の支払いに伴う当月の現金流出を減らせます。

その分、自社従業員への給与200万円を優先して確保しやすくなります。

ただし、人材派遣会社への支払いと、派遣社員本人への給与支払いは別の取引です。

派遣社員への給与は、原則として雇用主である派遣会社が適切に支払う必要があります。

利用企業が請求書カード払いで決済するのは、あくまでも派遣会社に対する契約上の費用です。

請求書カード払いで確保できる資金と手数料を比較する

請求書カード払いを利用する際は、手数料を含めて資金繰りへの影響を計算する必要があります。

以下は手数料を一律3%と仮定したシミュレーションです。

請求書の金額手数料3%カード引落時の合計額
30万円9,000円30万9,000円
50万円1万5,000円51万5,000円
100万円3万円103万円
200万円6万円206万円
300万円9万円309万円

※上記は計算例です。実際の手数料率や最低手数料、カードへの請求方法などはサービスによって異なります。

例えば、100万円の請求書をカード払いに変更すれば、当月の銀行口座からの支出を100万円減らせる可能性があります。

ただし、その代わりに3万円の費用が発生する計算です。

この3万円を負担してでも給与支払日に必要な資金を残すメリットがあるかを判断する必要があります。

また、請求書カード払いは、利用者の銀行口座に100万円が入金されるサービスではありません。

サービス事業者が取引先へ100万円を支払うことで、利用者の手元資金の流出を防ぐ仕組みです。

現金が直接増えるわけではないため、カード払いできる請求書が存在しない場合には、給与原資を確保できないことがあります。

関連記事:請求書カード払いの手数料相場は3%~5%!コスト削減の秘訣

給与資金の確保に利用するまでの流れ

請求書カード払いを検討する場合は、まず給与支払日と必要金額を正確に把握しましょう。

そのうえで、同じ時期に支払う予定の仕入代金や外注費などを洗い出します。

カード払いへ変更できる請求書があれば、対応するサービスを比較します。

サービスを選ぶ際は、利用手数料だけでなく、対象となる取引、利用できるカード、振込までの日数、申込時に必要な書類なども確認してください。

申込時には、請求書や契約書、取引先の振込口座情報などが必要になる場合があります。

また、サービスによっては取引内容やカードの利用状況に関する審査が実施されます。

申込後すぐに支払先へ振込が行われるとは限らないため、給与支払日の直前ではなく、余裕を持って手続きを進めることが重要です。

カード払いへの変更が完了した後は、カード引落日を資金繰り表に反映させ、売掛金の入金予定と照合しましょう。

注意点1:クレジットカードの利用可能枠を確認する

請求書カード払いを利用するには、対応するクレジットカードに十分な利用可能枠が必要です。

例えば、利用可能枠が100万円で、すでに60万円を利用している場合、新たに100万円の請求書を決済することは通常できません。

また、サービス手数料を含む金額がカード利用枠に収まる必要がある場合もあります。

利用予定額だけでなく、ほかのカード決済や引落予定も含めて確認してください。

注意点2:カードの引落日までに支払資金を用意する

請求書カード払いは、支払いを免除するサービスではありません。

利用した金額は後日、カードの利用代金として請求されます。

カードの引落日に資金が不足すると、カード会社との契約に基づく遅延損害金などが発生したり、カードの利用停止につながったりするおそれがあります。

特に、売掛金の入金日が確定していない場合には注意が必要です。

取引先からの入金予定を過度に楽観視せず、入金が遅れた場合でも対応できるかを確認しましょう。

注意点3:継続利用によって資金繰りが悪化する可能性がある

毎月の外注費をすべて請求書カード払いに切り替えると、目先の現金支出を抑えられる一方、翌月以降にカード代金の引落しが集中する場合があります。

さらに、利用するたびに手数料が発生するため、長期的には会社の利益や手元資金を圧迫する可能性があります。

例えば、毎月100万円を手数料3%で利用した場合、12か月間の手数料負担は合計36万円です。

一時的な資金不足への対応には利用価値がありますが、恒常的に頼り続けるのではなく、売掛金の回収条件や固定費、利益率なども見直すことが大切です。

注意点4:架空請求書や不適切な現金化は行わない

給与を支払うための現金が必要だからといって、架空の請求書を作成したり、実態のない取引を利用したりしてはいけません。

請求書カード払いでは、通常、実在する事業取引に基づく支払いが求められます。

実態のない請求書を利用した決済や資金還流、クレジットカードの現金化を目的とした利用などは、サービス規約に違反するおそれがあります。

不正な取引内容によっては、民事上の責任だけでなく、刑事上の問題が生じる可能性もあります。

資金繰りが厳しい場合でも、正当な取引に基づいて利用することが大前提です。

請求書カード払いで対応できない場合の資金調達方法

請求書カード払いに対応する請求書が存在しない場合や、カード利用枠が不足している場合は、別の方法を検討する必要があります。

その代表的な選択肢が、ファクタリング、金融機関からの融資、取引先との支払条件の見直しです。

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、売掛先からの入金期日より前に資金化する方法です。

例えば、翌月末に入金される予定の売掛債権が300万円ある場合、その債権が買取対象となれば、所定の手数料を差し引いた金額を先に受け取れる可能性があります。

請求書カード払いが「支払いを後ろにずらす方法」であるのに対し、ファクタリングは「売掛金の回収を前倒しする方法」と整理できます。

そのため、給与支払いに必要な現金そのものが不足している場合には、ファクタリングのほうが目的に合うことがあります。

ただし、ファクタリングを利用するには、実在する売掛債権が必要です。買取審査や手数料、契約内容などの確認も欠かせません。

金融機関からの融資は、比較的長期の運転資金を確保したい場合に検討される方法です。

銀行融資や日本政策金融公庫の融資制度などは、企業の財務状況や事業計画、返済能力などに応じて審査されます。

短期間の給与資金不足への対応には融資実行までの期間が問題になることもありますが、継続的な運転資金を確保したい場合には重要な選択肢です。

取引先との支払条件の見直しも検討する価値があります。

例えば、売掛先に早期入金や中間金の支払いを相談したり、仕入先に支払期日の調整を依頼したりする方法です。

こうした方法は相手方の承諾が必要ですが、手数料負担を抑えられる場合があります。

資金繰りの状況に応じて、請求書カード払いとほかの方法を比較することが重要です。

FAQ|請求書カード払いと給与支払いに関するよくある質問

請求書カード払いで従業員の給料を直接振り込めますか?

一般的な請求書カード払いサービスでは、従業員への給与の直接支払いには利用できません。

請求書カード払いは、事業上の請求書などに基づく支払いを代行するサービスであり、給与振込サービスとは異なります。

ただし、外注費や仕入代金などをカード払いへ変更することで、給与支払いに必要な現金を手元に残せる可能性があります。

パートやアルバイトの給与もカード払いできませんか?

パートやアルバイトであっても、雇用契約に基づく給与は労働基準法上の賃金として扱われます。

そのため、一般的な請求書カード払いサービスでは対象外です。

従業員への給与は、法令に適合した方法で支払う必要があります。

外注スタッフへの報酬はカード払いできますか?

外注先の属性や契約内容、利用するサービスによって異なります。

法人の業務委託先から発行された請求書であれば、利用できる場合があります。

一方、個人事業主への支払いについては、対応するサービスと対応しないサービスがあります。

利用規約や必要書類を事前に確認しましょう。

社会保険料も請求書カード払いで支払えますか?

社会保険料の支払いに対応している請求書カード払いサービスもあります。

ただし、法人のみを対象とするサービスや、納付書による支払いなど特定の条件が必要なサービスがあります。

社会保険料をカード払いに切り替える際は、サービス事業者の対応条件と納付先の手続きを確認することが必要です。

賞与や役員報酬の支払いにも利用できますか?

一般的な請求書カード払いサービスでは、従業員の賞与や役員報酬の直接支払いは対象外です。

ただし、賞与の支給時期に合わせてほかの経費をカード払いに切り替えれば、賞与原資を確保しやすくなる可能性があります。

請求書カード払いを利用すれば必ず60日間支払いを延長できますか?

必ず60日間延長できるわけではありません。

実際の延長期間は、利用するクレジットカードの締め日、引落日、請求書カード払いの決済日などによって異なります。

また、デビットカードなどでは後払いによる繰延べ効果が得られない場合もあります。

給与支払日が明日でも利用できますか?

サービスによっては短期間で取引先への振込に対応している場合がありますが、申込当日の利用や即時振込が保証されるわけではありません。

必要書類の確認、取引内容の審査、カード認証などに時間がかかることもあります。

また、請求書カード払いは給与そのものを振り込むサービスではないため、カード払いに変更できる取引がない場合には対応できません。

請求書カード払いを利用すると取引先に知られますか?

サービスによって対応が異なります。

取引先に対して通常の銀行振込で支払う仕組みのため、カード決済を利用したことを取引先へ通知しないサービスもあります。

ただし、振込名義や明細の表示方法、支払先への連絡の有無については、利用前に確認しておくことが重要です。

給与資金が不足している場合、請求書カード払いとファクタリングのどちらが適していますか?

カード払いに変更できる仕入代金や外注費があり、一時的な支出を繰り延べたい場合は、請求書カード払いが候補になります。

一方、給与支払いに必要な現金そのものが不足していて、売却可能な売掛債権を保有している場合には、ファクタリングが選択肢となります。

両者は仕組みが異なるため、必要な現金の額、費用、利用条件、将来の入出金予定を比較して判断しましょう。

請求書カード払いを利用すると会社の借入金は増えますか?

一般的な請求書カード払いは銀行融資とは異なり、請求書の支払いをカード決済に切り替える仕組みです。

ただし、銀行から借入れをしていないからといって、将来の支払負担が発生しないわけではありません。

クレジットカードの引落日に利用代金を支払う義務があるため、資金繰り上は将来の支出として管理する必要があります。

会計上の処理についても、取引内容やサービスの契約形態を確認し、必要に応じて税理士などの専門家へ相談しましょう。

まとめ:請求書カード払いは給与を直接支払う方法ではなく、給与原資を守るための選択肢

請求書カード払いは、従業員の給与をクレジットカードで直接支払うためのサービスではありません。

一般的なサービスでは給与や役員報酬などの直接支払いは対象外ですが、仕入代金や外注費、業務委託費など、対象となる請求書の支払いを後ろ倒しにすることで、給与原資を確保できる可能性があります。

特に、売掛金の入金日と給与支払日の間に時間差がある企業では、一時的な資金不足への対策として活用を検討できます。

ただし、請求書カード払いを利用する際には、次の点を意識することが重要です。

  • 給与そのものではなく、対象となる事業経費の支払いに利用する
  • カードの利用可能枠や手数料を確認する
  • サービス事業者による審査や振込日数を考慮する
  • カード引落日までの入金予定を確認する
  • 架空請求書や現金化目的の取引は行わない
  • 慢性的な資金不足の場合は根本的な経営改善も検討する

また、請求書カード払いで十分な現金を確保できない場合には、ファクタリングや金融機関からの融資など、別の資金調達方法も比較する必要があります。

請求書カード払いは、適切に利用すれば資金繰りの柔軟性を高める便利なサービスです。しかし、支払いの先送りだけでは会社の資金不足そのものが解決するとは限りません。

大切なのは、給与支払日を確実に守りながら、売掛金の回収予定と経費の支払予定を適切に管理することです。

給与資金が不足したときは、まず現在の支払予定を整理し、請求書カード払いで繰り延べられる経費があるかを確認しましょう。

そのうえで、売掛金の早期資金化や融資なども含め、自社の経営状況に合った方法を選択することが、安定した事業運営につながります。

「ちょっと話を聞いてみたい」方も大歓迎!

lineのロゴマーク LINEで気軽にご相談